今回は、いよいよ看護学生になり、精神科病院に就職となるまでのお話をしたいと思います。
看護学生へ
いよいよ、看護師という医療従事者になるべく看護学校に入学します。
と言っても、もともと親に言われなんとなく入学した学校。進学校にいましたから、成績は良かったですよ。緊張感のあった入学当初は…(笑)
しかし慣れてくると、なんだかなぁなぁになり、別に目標もなく理想もない。徐々に成績は落ちていきます。
依託学生ですから、病院には定期的に成績通知を持って挨拶に行きます。
院長『この位置からこの位置まで成績が下がっているんだから、次の時はこの分また下がっているんじゃ…(笑)そしたらもう下位何人かにはいるよ!』なんて言われ…
そりゃあ、その人の学費を病院が負担しているわけですから、国家試験に落ちてもらっては困るわけです。
やっぱり音楽がしたい…なんて思いも持ちながら、この頃両親が離婚したこともあり精神的にはギスギスしていたかもしれません。『辞めたい』と看護学校の先生にも何回か訴えました。
それでも続けられたのは、そのクラスでは数少ない男性の友人たちと仲が良かったからです。
ギスギスしていた私のことも見捨てずに付き合ってくれていた友人たちにはとても感謝しています。
実習はキツイものがありました。今はどうか分かりませんが、病院実習が終わった後の記録が膨大なのです。
記録に明け暮れ、何度朝日が昇ってくるのを見たことか…何度小鳥がさえずり始める声を聞いたことか…終電の電車から、翌日の始発電車の音まで聞いていました。
私が進む科は精神科と決まっていますから、精神科のことには知らずとアンテナが立っていたかもしれません。
しかし、医療・看護を知っていくと、興味のある科が出てくるのです。それまで何も知らなかったわけですから。
3年の頃には循環器科か脳外科に行きたいと思っていましたが、この3年間、何不自由なく学ぶことが出来たのは、あの時『今から面接に来てください』と言ってくれて『真面目そうな青年なのだが、うちで獲ってもいいかな』と言ってくれた精神科病院のおかげ様です。私はしっかりと恩をお返しするつもりで、いよいよ就職という社会人になっていくのです。
私のこれから勤める精神科は精神科の中でも『依存症』に力を入れている病院でした。治療プログラムには勉強会のような学習する機会が多いのです。自分の【生き方】を学び、リハビリしていくそうです。
この出会いが、私自身の人生・生き方を考えるきっかけになっていくのです。
この依存症の治療から、自分も自分自身を見つめる機会を与えられます。人生の中で自分の心の醜さに涙するという経験はありませんでした。その初めての経験をまたお話したいと思います。